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中古車の個人売買は、中古車買取販売業者と取引するよりも価格面などのメリットがあるため、興味を持っている人も多いでしょう。しかし、個人間の取引ならではのトラブルが多いことでも知られています。この記事では、中古車の個人売買でよくある4つのトラブル、トラブルに巻き込まれたときの対処法、トラブルを避ける方法などについて紹介します。
ネットオークションやフリマサイトなどで個人が気軽に売り買いできるようになったため、中古車の個人売買が増えています。中古車買取販売業者が間に入らないことによって、売主は高く売ることができ買主は安く買うことができるといったメリットがあります。ただし、当然ながらメリットばかりではありません。個人間で自由に交わされる契約ですから、正式な見積書や売買契約書といったものがなく、法的な規制なども整備されていないのです。
売主も買主も中古車売買のプロではないため、契約内容や車両点検などに不備があることも珍しくありません。取引に関する責任はすべて本人たちにあり、トラブルに発展しやすい状況にあります。国民生活センターには、毎年7000件を超える中古車売買についての相談が寄せられており、そのなかには個人売買に関するものも少なくありません。
中古車の個人売買でよくあるトラブルとは、どのようなものなのでしょうか。代表的なトラブルを4つ紹介します。
中古車の個人売買では、取引に合意したまたは車を引き渡したにもかかわらず、買主が代金を支払わないといったトラブルがあります。個人売買ではマイカーローンが使えないことが多く、基本的には代金を現金で一括支払いしなければなりません。そのため、資金不足で支払いが遅れたり、値引き交渉をされたり、突然キャンセルされたりするケースも珍しくないのです。自分が売主になるのならば、現金で一括支払いできるだけの資金があるのかどうか、買主に確認しておくのが望ましいでしょう。
国民生活センターには、買主が代金を支払ったのにもかかわらず、売主から車が引き渡されず連絡も取れなくなったという相談事例があります。車を引き渡してから代金が支払われないまま連絡が取れなくなるケースも同様ですが、取引相手に逃げられることのないようにしなければなりません。中古車の売買には、購入代金のほかにも自動車税や自賠責保険料、リサイクル料金や車両輸送費などさまざまな費用が発生します。自動車税については、4月1日時点で車を所有していた人に1年分の納付義務が課されます。しかし、7月に売却したのであれば、4分の3は買主に支払ってもらうのが妥当です。そういった細かい費用についても事前にきちんと決めておかないと、何をどちらが負担するのかについてもめる原因になるでしょう。
車の所有者が変わった場合、15日以内に名義変更手続きを行わなければならないと法律で定められています。中古車の売買を行った場合には所有者が変わるため、車の引き渡し後に買主が運輸支局で名義変更手続きを行うのが一般的です。仕事の都合などがありますから、すぐに手続きできないこともあるでしょう。しかし、手間や時間がかかるため、故意に手続きをしないまま放置する買主もいるのが実際のところです。名義変更をしないと、ずっと売主が書類上の所有者のままとなります。
買主が交通違反や駐車違反をした場合、ナンバーから所有者が割り出され売主のところに違反通知が届くことになります。毎年の自動車税納付書も、売主のもとへ届いてしまうことになるのです。最悪の場合、買主が大きな事故を引き起こし、車の所有者である売主も責任を追及される恐れがあります。売主側も買主側も必要書類を揃える必要はありますが、名義変更手続き自体は委任状があれば売主でも買主でもできます。買主が手続きに行ける見込みが立たない場合には売主が手続きをするなど、確実に名義変更できるような対策を取っておくことが大切です。
個人売買では売却される車の検査や盗難歴の確認などが行われないため、なかには盗難車が売りに出されていることがあります。万が一盗難車を購入してしまった場合、本来の所有者が車を盗まれたことや自分の車であることを証明すると、車を返還しなければなりません。売主と連絡が取れなければ、支払った代金も取り戻せないのです。盗難車を売るような売主とは連絡が取れなくなるケースがほとんどであるため、盗難車を買ってしまわないよう購入前に注意する必要があります。
車検証とその車の車体番号が合っているか、車体番号が削り取られた跡やドリルアタックの跡がないかなど、盗難車にありがちな特徴をチェックしましょう。ドリルアタックとは、運転席側のドアのなかにあるドアロックシステムをドリルで破壊して盗難する手法のことです。つまり、運転席側のドアに穴を塞いだ跡があったり不自然な塗装がしてあったりする場合には、盗難車であるケースが疑われます。中古市場の相場よりも明らかに安すぎる車である場合にも、盗難車の可能性があります。車に関しても売主に関しても、少しでも怪しいと感じる部分があったのならば契約しないでおくのがよいでしょう。
中古車買取販売業者では、中古車を販売する前に車体の事故歴や修理歴、故障や傷などの状態を詳しく確認しています。しかし、個人売買ではそのような保証がありません。業者に買い取ってもらえないような状態の中古車が個人売買で売られることもあり、購入後に故障や傷などが発覚してトラブルになることもあります。売主も知らなかった故障などが発覚した場合や瑕疵担保責任を負わない契約で取引した場合、買主はどうすることもできません。瑕疵とは、欠陥や不具合のことを指します。瑕疵担保責任とは、売買契約を行うときに一般の人が判断できないような瑕疵があとから発覚した場合に売主が買主に対して負う責任のことです。売主が事故歴や修理歴などを故意に隠して売却した場合、買主は瑕疵担保責任を定める法律に基づいて取引のキャンセルや返金請求をすることが可能です。
中古車の個人売買でトラブルが起きたとしても、明らかな詐欺や犯罪以外では警察に動いてもらうことは難しいと考えておきましょう。個人売買は自己責任のもとで行うものであり、トラブルが起きても基本的にすべて自分で対応するしかありません。自分で解決できない場合、国民生活センターや弁護士に相談することができます。国民生活センターでは、解決へのアドバイスをもらうことができるでしょう。弁護士に依頼すれば、トラブル解決に向けて動いてもらえるでしょうが、相談料や依頼料が必要となります。
相手の住所がわかっているのであれば、内容証明郵便を送付することも効果的です。内容証明郵便とは、いつ、誰から誰に向けて、どのような内容の郵便を送付したかを郵便局が証明してくれるものです。法的措置も含めて正式にトラブル解決のために動いていることを相手にアピールし、心理的なプレッシャーを与えます。
中古車の個人売買でトラブルを避けるには、どうしたらよいのでしょうか。考えられる方法について解説します。
売買契約書とは、車の代金や支払い方法、車両の引き渡し時期や瑕疵担保責任など、取引に関するさまざまな情報を記載した書類のことです。個人売買において、売買契約書を作成することは必須ではありません。しかし、契約について口頭で合意しただけでは、トラブルになったときに言った言わないの水かけ論になることがしばしばあります。売買契約書は、記された内容に売主と買主双方が合意したことを示す証明書類です。きちんと書面に残しておくことによって、購入後のトラブルを防ぐ効果が期待できます。
取引に関して合意した内容の売買契約書を売主が2部作成し、売主と買主それぞれが保管したあとに代金の支払いや車両の引き渡しを行うようにしましょう。売主が作成した売買契約書に、瑕疵担保責任を負わないといった売主に都合がよい文言が勝手に足されていないかどうか、買主は必ず確認してください。そして、もし勝手に文言が足されているようなことがあれば、その売主との取引はやめたほうがいいでしょう。
車両状態確認証明書とは、その車が事故を起こしたことがあるか、修復したことがあるかなどを厳正に調査し、結果を記載した書類のことです。公的機関に近い財団法人日本自動車査定協会が調査し発行するものであり、その車の状態に大きな問題がないことの証明になります。車両状態確認証明書をつけることで車両状態に起因するトラブルを避けやすくなり、売主も買主も安心して取引できるでしょう。盗難車や故障車を購入してしまうリスクを避けることができます。
個人売買仲介サービスとは、中古車買取販売業者などが運営する、中古車の売買を希望する個人同士のマッチングや取引の代行などを行うサービスのことです。中古車売買のプロのサポートを受けたり、充実したシステムを利用できたりといったメリットがあります。ネットオークションやフリマサイトで個人売買をするには、自身の住所氏名や連絡先などを開示しなければならず、悪質な相手にあたってしまうと個人情報の漏えいや契約不履行などのトラブルが考えられます。
個人売買仲介サービス「SHIFTGATE」では、専属コンシェルジュのフルサポートや匿名取引、エスクロー口座や分割購入など多彩なサービスがあり、個人売買でも安心かつ便利に取引できる環境が整っているのです。ほかにも、車の有償保証や名義変更手続き代行、車両輸送や購入後のメンテナンスなど役立つサービスが揃っています。
車の「個人売買」は業者を間に挟まないため、自分たちで売却価格を決めることができます。購入や売却がお得にできる可能性もありますが、気をつけておかなければならないのは、売却する際のトラブルです。
今回は、車の個人売買をする際の参考に取引の際にどのようなリスクやトラブルがあるのか、また必要な書類や手続きについてご案内します。
車の個人売買に必要な書類を記入する人物
車の個人売買には、知人や友人に売買する場合と、知らない相手へ売買する場合の2つのケースがあります。
知り合いであれば気軽に話を進められるため、金銭面での交渉がしやすく、相手の要望も取り入れながらスムーズに売買を進められます。知らない相手への売買だと、相手との交渉を気兼ねなく行えますが、トラブル発生時はすべて自分で対処しなければいけません。
また、個人売買の方法には以下の2つがあります。
1・オークションサイトなどを利用して売買する
日用品や家電などを出品することが多いオークションサイトでは、中古車の出品できます。
自動車は売買金額が高額になり、輸送方法も考えないといけません。そのためサイトにある利用ガイドを確認して、規定に従って出品と輸送をする必要があります。
この方法は、売買したいときに好きなタイミングで出品でき、中古販売店などで売買するよりも諸経費や手数料を抑えられ、購入側にも売却側にも金銭面でメリットがあります。
しかし、個人間の契約なのでトラブル発生時は個人で解決しないといけません。
また、売買における諸手続きも自身で行う必要がある他、出品しても必ず売れるとは限らないのがデメリットとしてあげられます。
2・個人間売買の仲介・代行サイトを利用する場合
中古車販売店などのプロが仲介するので、トラブルが起きにくいのがメリット。
最近では身近な売買方法になってきており、この方法でも諸経費や手数料が抑えられます。
また、査定や車両評価を依頼できる場合もあり車の状態を把握することも可能ですが、ネットオークションなどと比較すると、諸経費は高くなります。
個人売買では以下のような流れで車を売却します。
1・愛車の出品
2・購入希望者との対応
3・契約締結
4・代金振り込み
5・車の引き渡し
6・車に関する各種保険の名義変更
7・任意保険手続き
車を売る際、自賠責保険の関係書類や譲渡証明書、印鑑登録証明書などを用意します。
またローン返済や購入後の引越しされている場合では、必要となる書類が変わるので、売買前に確認してください。
・売買契約書
・自賠責保険証明書
・自動車納税証明書
・自動車リサイクル券
・申請書(OCR シート第1号様式)
・手数料納付書(自動車検査登録印紙を添付)
・自動車検査証(車検の有効期間のあるもの)
・印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
・譲渡証明書(新旧所有者を記入して旧所有者の実印を押印)
・印鑑(本人が直接申請するときは印鑑証明書の印鑑(実印)、代理人が申請する場合、代理人は記名でよい)
・委任状(代理人による申請を行う場合は実印を押印、本人が直接申請するときには不要)
※売主が車検証に書かれた住所から引っ越ししている場合は、売主の住民票や戸籍謄本の附票も必要となります。
1.新所有者・新使用者が同一の場合(上記「売却する側の必要な書類」に加えて)
・新所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
・新所有者の印鑑(本人が直接申請するときは印鑑証明書の印鑑(実印)、代理人が申請するときは代理人の記名でよい)
・新所有者の委任状(本人が直接申請するときには不要ですが、代理人による申請を行う場合は実印を押印)
・新所有者の車庫証明書(※自動車保管場所証明書。住所等を管轄する警察署より証明を受けたもので発行後、概ね1ヶ月以内のもの)
※使用の本拠の位置が変更になり、且つ自動車保管場所証明書適用地域の場合に限り必要
2.新所有者・新使用者が異なる場合(上記「売却する側の必要な書類」に加えて)
・新所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
・新所有者の印鑑(本人が直接申請するときは印鑑証明書の印鑑(実印)、代理人が申請するときは代理人の記名でよい)
・新所有者の委任状(代理人による申請を行う場合は実印を押印、本人が直接申請するときには不要)
・新使用者の住所を証明する書面(個人においては住民票(マイナンバーが記載されていないもの)または印鑑証明書、法人にあっては登記簿謄本等で発行後3ヶ月以内のもの)
・新使用者の委任状(申請書に使用者の記名があれば不要)
・新使用者の車庫証明書(※自動車保管場所証明書。住所等を管轄する警察署より証明を受けたもので発行後、概ね1ヶ月以内のもの)
※使用の本拠の位置が変更になり、且つ自動車保管場所証明書適用地域の場合に限り必要
車の個人売買には様々な注意点がありその中でも特に注意が必要な点と、トラブルの例をご紹介いたします。
・オークションやフリマサイトなどでの代金は現金払いのみ
一般的に車をディーラー等、販売店で購入する際はローンを利用することができますが、オークションやフリマサイトなどで購入する場合、ローンの利用はできず、基本的に現金払いとなりますが、カード払いに対応しているサイトもあります。
また、売却する車にローンが残っている場合には、所有権がローン会社となる為完済しないと売却できないことも多いです。
・自己負担の額が大きくなる場合がある
手続きなども自身で行いますが、その際にかかる費用ももちろんご自身でのお支払いが必要です。また、自動車税などの税金もどちらかが支払う必要があります。自動車税は毎年4月1日に課税されるので、売却日に応じて月割で計算して、買い手と売り手の負担分を算出するとよいでしょう。
その他、売買の際に車を長距離輸送するとなれば、ローダーサービスを使用するのか自走されるのかでも輸送費用が変わり、高くなるため注意が必要です。
・代金が支払われない・支払ったのに中古車が引き渡されない
中古車の個人売買では車を引き渡したのに、代金を支払ってくれないケースがあります。
支払いのトラブルを避けるためには、代金入金後に車を引き渡すようにしましょう。
トラブルになった際にはまずは最寄りの警察署で相談しましょう。
また、売買後に名義変更することになりますが、買い手と売り手両方の協力が必要です。
買い手側が忙しくて名義変更に時間がかかるときもありますが、買い手側が故意に名義変更を行わないというトラブルも考えられます。この場合も警察や弁護士へ相談しましょう。
購入した車が事故車や盗難車であったという事例もあります。
事故車かどうか確認したい場合は、財団法人自動車検査協会(https://www.airia.or.jp/airis/teikyou)に登録情報提供制度概要依頼すると調査してくれますが、盗難車かどうかはわかりにくいです。
ネットの中古車販売情報などの相場と比較してあまりにも安い価格で販売していれば、盗難車の可能性も疑いましょう。
また、車を輸送するとなれば、高額な輸送費を請求されるケースもあります。
事前に輸送費について調べておき、契約書でいくらの輸送費を支払うか取り決めておくことが必要です。
個人売買は個人同士で取引の全責任を負うため、さまざまなトラブルが起きやすいと言わざるを得ません。場合によっては弁護士や警察が関わることもあるため、トラブルの予防に努めることが大切です。個人売買に役立つ機能が充実した個人売買仲介サービス「SHIFTGATE」を利用して、安全で安心な取引を目指してみてはいかがでしょうか。